9タイムスリップお巡りさん9 [ケータイ]

 被疑者逮捕は,初動から始まる。所轄署と地域部,そして首都高では地域警察でもある高速隊による職務質問から始まる。
 機動捜査隊も例外では無いが,機捜は殆どは特定の要注意人物を徹底的に突っ込むので,やはり初動は地域と高速隊に掛かって居る。
 その職務質問はまず,逃げられない様に素早く見える範囲の証拠を洗い,後日,生活安全課等の捜査によって被疑者を逮捕出来る様にする。テレビなどの現行犯逮捕は別件逮捕は別としてなかなか無い。
 大抵,神様は一瞬いちべつしただけで事件の結末は見えるが,区検への手続きがとても大変であるところは現場の泣き所である。現行犯逮捕が少ない事は,不謹慎ながら多忙の中のほんの気休めになる。
 因みに区検は簡易検察庁と言うべきもので,凶悪であれば地検に手続きするのだ。

 被疑者に逃げられない様にするために,まずは警視庁母屋の照会担当を無線で呼び出し,指名手配らしい者の使用する,自動車,自動二輪車のナンバーや身分証を謳う。
 照会担当に呼び出した無線は,母屋の管内の都内全域に鳴り響く。ベテランになると何気無く無線に耳をそばたたせ,逃走犯を追い掛ける同僚の警察官の援護に駆け付ける。

 所轄署は,24時間体制の時は地域が交通事故を取り扱うような事もあり,担当外の事案を処理するのでどうしても専らに職務質問するのが体力的に大変だ。集中力には限界があり,眠気もある。
 そこに担当外の事案処理と言うのは,平日の昼間と違って難しいのだ。

 そうなると,自ら隊か地域総務課の当直頼みになってしまう。自ら隊が交通事故の初動に駆け付ける事もあるが,幸い,都内は多摩も含め,とりあえずは所轄署単独で対処出来るし,むしろ職務質問の経験則が豊富な署員も少ないながら居るところが大規模警察本部の警視庁の強味だ。

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しゃぶの [ケータイ]

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 僕の本名は大西 加寿麻と言う。

 僕はたまに,地元や名古屋近郊で自ら隊を止めて話し込んでると,大抵名前を訊かれる。

 普通に大西?じゃ名前は?
 加える?ことぶき?
 で,あさって何の字?

 繊維の麻ですよ。
 中が林になってる。

 ?

 しゃぶの麻ですよ!

 あ!しゃぶのねー。290%当たる(笑)。

8タイムスリップお巡りさん8 [ケータイ]

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 「新宿5,了解したー。尚ー,警視庁から新宿,四谷,牛込,新宿地内管内で可能なPM,PCは直近可能な態勢をせよ。」
 歩行高校生から事情聴取を終えた忍込巡査部長は自ら隊のパトカーに戻るなり,にわかに騒がしい無線を聞き付けた。今日は第2自動車警ら隊のパトカーだった。
 喚起音の後,再び無線が鳴った。
 「警視庁から新宿管内,交通違反公務執行妨害事案に付き,職質中PM,現場付近のマル援発令するー。集中場所先は,西新宿7-10付近,所沢街道から北に入った路地付近。現在でPMに対する殴打等から制圧確保時に,くれぐれも警戒せよ。発令は新宿,四谷,牛込も願いたい。
第2機動捜査隊,地域指導,遊撃隊も直近へ移動せよ。以上警視庁。」
 歩道橋下交差点から駆け付けた牛込達がすぐさま被疑者を押さえ込んだ。
 「4交機31,先手配の現場,臨場しました。これより地域さんのPCに合流。どうぞ。」
 「警視庁了解。」
 「2捜35,新宿のに援護臨場。どうぞ。」
 「臨場了解したー。尚ー,マル援中,後発各局はマル被の警視庁宛て人着照会,マル被の身捜(しんそう)状態を御願いしたいー。2捜にも了解せよ。以上警視庁。」

 「警視225から警視庁。新宿5の追った交通違反の現認車両。愛知県の尾張小牧ナンバー301ローマのろ53*4,プリウス,シルバー,どうぞ。」
 「警視庁3番確認中,尚ー,マル被状態いかがでしょうか。どうぞ。」
 「新宿1から警視庁宛て。現在で公妨現逮中。現在でPC内に完全制圧中。マル取開始,これよりPS緊急臨場,どうぞ。」

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久々に [ケータイ]

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 この正月三が日を使って母の実家にお邪魔して居た。一泊二日と言うより,殆ど一泊と半日しか滞在しなかったが,三が日の最終日,母が眠たいと訴えるので仕方無く,わたしが母の車を運転する事になった。母の住まいのある近郊のわたしのアパートまでだ。
 今日に限って普段,身分証を持ち歩かないわたしは,ちゃんと免許証を持って居た。
 まともに運転するのはほぼ1年ぶりだ。
 だが,わたしは自分の技術に自信があった。
 恵那から岐阜近郊まで帰るにはまずは運転して19号まで出なければいけない。その後,車の流れが空いていたので248号まで行き,41号を回った。
 わたしの性格がまだ大雑把な頃,19号は無法地帯で,21号の次月峠の辺りも煽り運転や,からかい運転が横行して居たので正直,悪い思い出しか無かった。
 しかし,途中の多治見の辺りの大雑把な挙動の車を除けば地元の各務原の21号まで穏やかな心境で運転出来た。最近は19号を管轄する愛知県警の第1交通機動隊が厳しいのかも知れない。
 わたしの性格が大雑把だったのは1年半程前が最後にしたのだが,交通事情はかなり緩やかなものの平和になってきて居ると思う。

治安は良くならない [日記]

特定秘密保護法だけでは国内の治安は良くならない。

旧現行法でも自動車警ら隊や交通機動隊による取り締まりで大量の粗暴韓国外国人の強制措置は可能だったし,交通では集団行為を別として,大雑把な運転をする自動車のマナー違反に対する現行犯逮捕も少なかった事から治安は良くならなかった。

逆に法律だけ先行しても本当の末端が機能しなければ,外事情報局や情報本部などの情報機関に対する仕組みに留めてしまうのは的外れだと思うが如何か。

桑代警部補 [ケータイ]

警視庁の桑代警部補って人,元総務か自らの人でしょ?
よくテレビで晩掛けの時に被疑者に「動き見れば分かるんだよ」って言うけど,その瞬間の立証が出来ないだけで分かるんだよってのはほんとなんだよね。
この人がどうかは分からないけど,すれ違っただけで「今の自転車!」とか言い出すタイプだ(笑)。
結果,ハーブだったとしても123で「あーやっぱりね。何度かあるね」っつー事になっから。一回,多摩の方の8だか9だかの自らに白手しないで車触られて怒って,怒った本人(kuronoyume0702さん)もユーチューブで言ってたけど,晩掛けの神様っつーのは良くも悪くも癖なんだよね。

ところで神奈川の機捜が使ってたけど,晩掛けって横浜発祥?西日本じゃ岐阜県警も含めて現職があんま使わないんだよ。

7タイムスリップお巡りさん7 [ケータイ]

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 車を運転して岐阜から市川に向かって走って居ると,警視庁の第1自動車警ら隊のパトカーに呼び止められた。

 「警視141から123警視庁照会宛てー。現在地点,本所管内,両国小学校の北側にて,自動車の確認を願いたいー。」
 運転手の巡査部長が相勤の警察官を見送りながら無線を操作した。
 「警視141,どうぞ。」
 「えー岐阜ナンバー330箒のほ19#5,車種は◯に為ります。どうぞ。」
 「警視141,該当は,えー交通違反,本日14時5分頃,4交機が新宿管内で取り扱いあり。尚,現在までのところ当該に被害届事実はありません,どうぞ。」
 「警視141,了解しましたー。
 尚,相勤PMが現在から職質聴取開始中,当方もこれより降車し離れます。どうぞ。」
 「警視庁了解。」

 「何なんだよ。さっきも止められるしよー。よそもんいたぶって楽しいかよー。」
 運転手の男が現職らに食って掛かって来た。
 「もう怒らないで怒らないで。」
 「うちら地域のでさ,違反とかでっつーんじゃ無いからさ。安心してよ。俺も非番で家内とデートしてたら捕まった事あんから鬱陶しいの分かるよ。分かるけどさ,車を利用してるお客さんに呼び掛けで回ってるんで。」
 「免許証あります?え?不携帯か。じゃ氏名と記載されてる方の住所を願えますか。」
 警察官が2人で対応する。身分証不携帯の者はたまに指名手配や強盗犯や痴漢行為逃走者の事があるが,身振りや顔色からどうやらたまたまの不携帯の様で今のところ自ら隊の感じる不審感は無い。
 「へぇー難しい地名だね。ありがとうございます。ちと無線で確認さしてね。」
 再び運転して居た巡査部長がパトカーの無線の元に戻る。

 「つか都内は職質,多く無い?」 
 「え?そっすかぁ?岐阜なんかはあんま無い?」
 相勤の巡査部長が何気無く受け答えした。
 「うち地元が愛知県と接してんだけど,名古屋でもここまでじゃ無い。」
 「えーでも俺名古屋出身で向こうの警察にも知り合い何人か居るけどさ,地域は広域技能が居るでしょ。結構うるさく無い?」
 「えー,停めらんないなんて舐められてんのかな。」
 「ハハハ。いいじゃない,いいじゃない。怪しまれないっつー事だよ。いや,実際問題さ,都内と県警の職質は,うちらのいい悪いの話じゃ無くて,場所柄きつく為らざるを得ないっつーのがあんだよね。ほら,お客さんみたいに東海地方の岐阜からいらっしゃってるし。」
 丁度パトカーのドアが開いた。
 「手間とらせちまって。確認とれました。ごめんなさいね。」と相勤者が小走りにやって来た。
 「だけどさー,交通は車関係ではうっせーの多いからさ。まぁた,ごたごたに為らないように運転お願いしますよ。地名表示も遠くだしさ。悪いけど突っ込まれやすいと思うから。」
 「こちらこそ。気ぃ付けてディズニーランド行ってきます。」
 「あああ。そいでこっちの方だったんだね。」
 助手席の相勤者の巡査部長は終始穏やかだった。
 「はーい。御気を付けて下さい。」

 警視141はその後,4丁目の細い道から京葉道路に出ようとした時だった。
 大型二輪が江戸川の方からセブンイレブンの方へ突っ込んで来る。やや速度が速い。
 「あれ?そう言えばさっき逃げてる単車の流れてたよな。」
 運転手の巡査部長が呟いた。相勤者はさっきの解放した人を聴取するので,無線を絞って居て知らなかった。
 赤灯を点け,緊急走行した。エンジンを凄ませた。
 「警視141から警視庁ー。えー京葉道路の両国3丁目交差点付近にてナンバー隠蔽の二輪を現在からマル追,職質試みる。」
 「警視庁から警視141,該二輪は先15000のマル被車両の可能性あり。強盗傷害未遂の可能性あるので連携を意識されたい。」
 呼び出し音が鳴った。
 「警視庁から本所管内,両国地内,京葉道路付近にて重点警戒せよ。危険走行バイク,取り扱い留意,交通執行も願いたい。以上警視庁。」
 都内は,お巡りさんと100メートル離れた所の現場の状況は全く違う。また,解放した次の瞬間に別の職質を始める事も珍しく無い。
 年末に故郷に戻る在京市民が居る一方,娯楽の為に首都圏に訪れる人も多いだろう。その際,都内を通り掛かったりする時はどうか大雑把では無い格好で御願いしたい。
 警視庁の現職警察官を楽させる気遣いは必ず地元の治安維持にも繋がるから。まじめに生きることに積極的であって欲しいと思います。

5タイムスリップお巡りさん5 [日記]

 「警視211から警視庁,本所。指令100867の緑4丁目付近での揉め事,一旦,江東橋PBPMにて所轄聴取とします。尚,現在は当事者同士は強制的に引き離して居る状態ですので,出来れば本所宛てマル援掛かりたい。どうぞ。」
 「了解。えー尚,警視211宛て,当人柄はそちらで事情等思い当たり,ありませんか?」
 「えー了解。えー警視211から。先送信結果からも柄当てありませんし,特段,問題ある様には思いません。ぱっとした感じ,捜検でも凶器等の問題は見付かりませんでしたので。」
 「警視庁了解。」
 「本所4から本所。指令100867,4丁目交差点付近のけんか揉め事,マル援対応に為ります。どうぞ。」
 「本所2から本所。江東橋PBの件に対応致します。現在,京葉道路江東橋郵便局付近,間も無く現場至近です。どうぞ。」
 「本所から緑4丁目交差点付近の100867マル援中の本署隊及びPB宛て。本所了解。えー尚,自らさん,警らに戻って貰って結構ですので。どうぞ。」
 「本所さん,恐れ入ります。警視庁宛て,警視211,所轄に引き継ぎ,これより見回りに戻ります。どうぞ。」
 「警視211,警視庁了解。」

 警視庁の千代田区庁舎の指令当直責任者はパソコンの集中画面を見ながら課全体の通話を同時に聞いて居た。当直責任者は経験則から課員が見落としがち,聞き落としがちの通話を聞きながら重大事案を見付け出したり,複数の目撃者や当事者からの重複した通報を処理し,無線連絡や通報受け付けに出来るだけ支障が無い様に心掛けなければいけないのである。
 最近,警視庁の地域部に20世紀からやって来た忍込と言う巡査部長が管内の本州の各所で見掛けられて居た。照会通話は一日250件を超える事もあり,これまで事案が余り覚知しなかった地点でも検挙数はたちまち増加した。
 毎日同じ仕事を任される訳では無いが,コールサインが変わっても指導警察官の忍込が通話してくればすぐにぴんと来た。普通の自ら隊や遊撃隊の現職も照会で手配が無い位では引き下がらず,気に為ったからには持ち物を改めるがベテランの現職も見落とす様な所も,まさに広域隊のマニュアル通りに完璧にし,更に突っ込みを掛けて今しがたやったと言う殺人事案を聞き出した事もある。
 「警視211から警視庁ー。」
 「警視211,どうぞ。」
 部下の指令巡査長が答えた。
 「自動車の臨時運行番号を調べたい。どうぞ。」
 そら,来たと思った。レシーバーで聞き覚えがある巡査部長の声がした。
 「了解。送信願います。どうぞ。」
 「長崎45〇8,車種にあってはホンダの軽四バモス,色シルバーに為ります,どうぞ」
 巡査長が捜査を始めた。レシーバーに手をあてがった。
 「えー,長崎市所在,スーパーニュークと言う販売業者から蔵品届けあります。店舗先にて装着状態で被害該当1,長崎県長崎署で受けたとの事です。尚,関係者名簿,小泉金◯が所有者ですが,現認車の柄改め可能でしょうか?どうぞ。」
 「警視211,えー了解。深川管内,白河(しらかわ)3丁目交差点内,柄は現認から清洲橋の西進車線側のマツモトキヨシの隣のコンビニに入りました。家族らしい5人乗車。どうぞ。」
 レシーバーの底から赤灯の音が聞こえた。パソコンの画面を見ると遊撃隊のパトカーだと分かった。地図画面上で自ら隊のパトカーと交錯した。
 「遊撃5から警視庁宛て。只今の無線から警視211PMと接触,これより店舗内確認。マル援,確実に御願いしたい。どうぞ。」
 当直責任者が無線に割って横入りした。緊急の通話呼び出し音を操作した。
 屁の様な音とひよこの鳴き声を引き伸ばして長くした様な音だ。
 「警視庁から深川管内,白河3丁目交差点,直近番地,江東区白河3-4-3にて蔵品疑惑の該車両発見,至近に関係者所在の為,これより,深川,城東に配備指令,他白河付近,もしくは可能な車両は迷わずこちらに向けられたい。念押し,関係柄はマル被の可能性あり,あらゆる犯罪物証を見逃さない様,身体の改めを御願いしたい。こちら,筆頭,深川,どうぞ。」
 

4タイムスリップお巡りさん4 [日記]

 四谷警察署の四谷2号車が第2自動車警ら隊の応援の為,緊急走行で先現場から程近い四谷3丁目交差点付近に着いた。普通,所轄や自ら隊等広域の車両はまず緊急走行しないが,事案が急であれば逆に関係所属車は全て緊急走行と言う事があり,今回は正に急な現場だった。
 ついでに場所柄,何度緊急で応援に行かなければいけなくても,回数は全く関係無い。こうした警視庁の手配態勢は省庁,外国大使館,繁華街がひしめく都心ならではだ。
 署員が交差点の北側の北進車線に停められた第2自動車警ら隊の警視206号車に目をやった。自ら隊パトカーの傍らには指導警察官の後輩の巡査部長が立って居た。窓から無線機を掴んだまま交差点付近の指導警察官の表情を確認して居た。合図があれば,警視庁の通信指令に宛て,照会調べ要請や応援の緊急送信をする。
 四谷警察署の所轄警察官は自分も,以前,第2自動車警ら隊に勤務して居たのでやり取りの真相が分かった。
 周囲には応援要請を聞き付け,刑事部の第2機動捜査隊や他の四谷署員,交番警察官らが徒歩や自転車で駆け付けて居た。第2機動捜査隊の捜査車両の付近に被疑者が立ち尽くし,身体捜検されて居た。
 指導警察官が再び交差点付近に目をやったのは,警察官が集まりはじめてからだ。無線があった頃には既にたまたま通り掛かった警察官らが身柄を引き止めて居た様だ。
 元自ら隊の署員は若手の巡査長を連れて指導警察官に歩み寄って行った。まだ巡査長は現場経験が浅いので,先輩署員は職質の立ち回りを教えたかった。
 「ああやって,歩行者,軽車両のチャリ,車の動きをじぃーと見詰めんだよ。そうすんとよ,ばぁーと言ってみれば漫然とした流れの中で異様な違和感のあるっつー様な奴を引き止めるんだ」
 元自ら隊員は指導警察官を眺めさせながら言った。
 「実際,声掛ける内,10台10人居てどのくらい見付かるんですか?」
 巡査長は訊いた。
 「10人中,9人位だろう。しかも全部当たりで」
 「後は見過ごさざるを得ないと?」
 「そうだ」
 先輩署員は頷いた。
 「だから,絶対何かあるとふんだら口で声掛けるより,手だ,歩行だ,が先に出る位じゃ無いといけない。機捜はともかく,地域の広域やうちら所轄に声を掛けられるとすれば,本物じゃ無いにしても悪い事をして無い奴なんて一握りも居ない位だよ」
 「本物っていち手配(全国手配)とかですか?」
 署員は頷いた。
 「逆に言えば完璧に法律守るには悪い事も知らなければ出来ないつー事だね。勿論,被疑者に為っちゃいけねーがよ」

3タイムスリップお巡りさん3 [日記]

 「恐れ入ります。お疲れ様ですー。警視206から四谷宛て。えー,マル簡願います。場所にあっては...」
 ここ半日,簡易鑑定依頼が所轄署に鳴り響き続けて居た。新宿通りや外苑東通り付近で第2自動車警ら隊が精力的に職質し,大麻や覚醒剤を発見する事から逮捕前に所轄署に連絡し,簡易鑑定を依頼して来るのだ。新宿通りは第1自動車警ら隊の管轄とも隣接し,「第4方面」に所属する四谷警察署は管内のすぐ隣には麹町警察署もあり,大雑把な挙動の人は職質され易い界隈なのだ。
 この界隈は世界的に重要な皇居付近や警察庁など中央省庁もあり,右左翼対策,反省庁デモ対策などでもかなり警戒して居る地域で,警視庁はどうにかして署員の負担を減らしたいが,急訴階層は幅広く,慢性的な体制不足が本州側の管内で解消されないで居た。

 外苑東通りで四谷1が偶然にも赤坂2とばったり会った。四谷署員が職質中の現場に赤坂署員が公務執行妨害の追跡し,確保した場所が重なって居た。
 四谷扱いにしても赤坂扱いにしても両方とも凶悪犯で捕まえるのに10台もパトカーが集まって居た。
 「最近よー,やったらマル簡多く無い?」
 「自らとか深川の遊撃でしょ?そうそう。ぶっちゃけた話,クラックだつったら見に行くからね。ハーブの見間違いが殆どだけど」
 「確かに俺も自ら時代,やったけどよ,まだハーブがはやって無かったからね。昔の歴ありの野郎がハーブ食う事はあったろうけど,始まりがハーブっつーのはその辺の小僧や主婦とかばっかだからね。自らとか遊撃と為ると片っ端からマル簡鳴きしてん訳じゃねーと思うんだけど」
 「特に今日の当直はきついわ。2自らからのマル簡ばっかじゃん」
 「ほら。今日は噂の忍込とか言う指導員が来てんからよ。何でも四谷の3丁目ばっかでもう35回も照会とか応援とか呼んでるらしいよ」
 クラウンのパトカーの無線が鳴り響いた。
 「警視206から警視庁ー。先,保険証照会の柄着ですが,とりあえず現職に対して小突いたんでパッキン確保,制圧状態です。どうぞ。」
 「警視206,尚,先の通り,異臭からのクラック事案でしょうか?」
 「警視庁,えーその通りです。喉が渇いたとしきりに訴えております。唇からから真っ白けです,どうぞ」
 四谷署員は赤坂署員と顔を見合わせ,思わず苦笑いした。
 「どんまいだな」
 赤坂署員が四谷署員を見送りながら言った。
 「うーるせぇよ。そぉん内,赤坂にも無線飛んで行くっぞ」

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